風雲児たち考


29巻表紙  みなもと太郎氏は、知る人ぞ知るギャグ漫画家です。「作画グループ」と言う、アマチュア漫画集団の出身で、このグループからは、「超人ロック」の聖悠紀氏も出ています。
 その、みなもと太郎氏が幕末の人間模様を、コテコテの大阪ギャグを織り交ぜて描いたのが、この「風雲児たち」です。

 幕末を描くと言うのに、この漫画は関ヶ原の戦いから始めます。最近になって(23巻辺り)、やっと幕末の様相が出てきましたが、それまでは時代が進んだかと思うと後戻りしたり、と、「いったいこのエピソードがどの様に幕末に関係あるのか?。」思ってしまいます。
 が、どれも幕末の思想家に大きな影響を与えていた事が、後になって分かります。
 そして、登場人物、そのエピソード、などは、多少作者の思い入れも有りますが実に良く調べてあり、史実にも基づいており、歴史書としても耐えうる内容になっています。

 中学校の日本史の副読本として読んでみると、教科書では無味乾燥な歴史も、壮大で波瀾万丈な物語として再認識できるかも。

 日本人なら、ぜひ読んでおいて損の無い、ギャグ漫画(^^;)です。

第一期 徳川家誕生編

第二期 蘭学黎明編

第三期 幕府鳴動編

'97/11/24 サイン会報告


第一期 徳川家誕生編


第1巻 大乱戦関ヶ原

 すべては、ここから始まった!。と、言うほど大袈裟ではないですが、とにかく徳川300年の始まりはこの戦いの勝利があったからこそ。

 タヌキおやじの家康が、ありとあらゆる手を使っても手中に収めたい勝利=天下。
 それを阻止せんとばかりに立ちはだかる、豊臣御命(?)の石田三成。

 そう言えば、昨年(1996年)の某国営放送の大河ドラマは「秀吉」でしたね。そこに登場する石田三成(役:真田弘之)と、この漫画の石田三成がダブって、笑ってしまったっけ。
 「し・ん・ぱ・い・ご・む・よ・う!!」なんちゃって。^^;


 

第2巻 関ケ原始末記

 さて、関ケ原でめでたく勝利を収めた家康の最初の仕事は、西軍大名の領地を東軍大名に褒美として与える事でした。
 この時の領地替えが幕末に大きな影響を与えるなんて、さすがにタヌキおやじ家康でさえ思いも付かなかったでしょう。

 どの世界でもそうですが、虐げられ踏みつけられた者の中から優れた人物が出て来るものなのですね。
 どこぞの政治家に聞かせてやりたいものです。^^;;


第3巻 二代将軍の恋

 甘ったれのボンボン将軍、秀忠をイッパシの男に変えた静ちゃん。男を良くも悪くもするのは女性である、時代は変わっても変わらないものなのですねー。

 現代の女性諸君!。世の中を動かしているのは実は貴方たちなのです。不甲斐ない男たちを影で上手く操って下さい!!。 


第4巻 会津藩誕生

 白虎隊で有名な(と、言ってる私自身あまり良く知らない^^;)会津藩。
 その源流が幸松君(保科正之)だったんですねー。

 どこの大名でも、お家騒動の元になるのが兄弟なのですが(薩摩でも、織田家でも、将軍家でもetc)、この保科正之は上手く行った例なんですね。
 末代まで将軍家に忠誠を誓ったんですから。 


第二期 蘭学黎明編


第5巻 早すぎた人達

 さて、時代は70年ほどすっ飛んで蘭学創成期に進みます。

 前野良沢、杉田玄白、中川淳庵など解体新書組や、世紀の天才平賀源内、日本中を歩き回る林子平、高山彦九郎など、豪華メンバーが登場します。

 新しい思想の幕開けです。


第6巻 海から来た男

ウソツキ、インチキ、ベニョヴスキーくんの大ボラ手紙事件を中心に、やりたい事がなかなか進まない平賀源内・田沼意次さまや、「たあへるあなとみあ」の読み分けが順調に進む前野良沢・杉田玄白ちゃんら。
この巻の見所は、出番の一番多いべにょぶすきゅい・・・えーい、舌がまわらん!。
べにょびゅしゅきくんよりも、出番の少ない中川淳庵くんが「メニヒとは、「いっぱい」ということではないでしょうか」 と、はじめて役に立ちます。
「解体新書」ができるまでのすったもんだのシーン、ここから近代医学が始まったのです!!。
ラストシーンは秩父の山に目をつけた山師・源内が、ここ掘れワンワン、誰か掘ってくれーエエェ、と叫びます。
はたして源内さま、この先どうなる?。

【by ひのもと あや】


第7巻 強情解体新書 fj7.gif

「時期を逃してはいけない」(玄白)、「こじつけが多すぎる」(良沢)、などと発刊を巡ってのドタバタ騒ぎの末、ついに「買いたい新書(^^;)」が完成しました。
確かに誤訳も多かったらしく、近年になって「解体新書」の原本「ターヘルアナトミア」を翻訳し直された学者さんがおられましたね。
とは言うものの、当時「解体新書」が与えた影響は、計り知れないものがあったのは事実です。

秋田蘭画のきっかけやエレキテルを完成させた源内ちゃんや、意見好きのリンコピンさんらが脇を固めて、蘭学の華やかな花が咲き乱れていきます。
(蘭学だけに、「花(蘭)が咲くのは当たり前です。」なんちゃって。^^;)


第8巻 さらば源内

 「ああ、非常の人。非常のことを好み、行いこれ非常なり。なんぞ非常に死するや」杉田玄白
 挫折と成功を繰り返してきた源内。男盛りを過ぎてふと振り返ると、自分の成功にはインチキが、挫折には真実があることに気づく。
 このことは源内を大きく傷つけ、また焦燥感にも襲われた。「自分のしたかったことは、こんなことではない」  さらに使用人であった職人が、源内の発明(エレキテル)を横取りした事件が発生し、その頃から言動に異常性を帯びるようになる。
 そして、その事件は起こった。
 事の発端は、源内が建築市場に打って出る決心をしたことである。ちまたの業者が9万両以上の見積もりを出す中、源内一人3万両という破格の値段で落札。
それに不審を抱いた二人が源内宅にやって来る。
 源内は自分のアイデアを書いた、書き付けを二人に見せる。建築業に携わる二人はその書き付けを見るだけで、源内の偉大さを理解した。
 3人は夜更けまで飲み明かす。そして、源内が夜中に目がさめてかわやにたとうとすると、懐にいれたはずの書き付けが見つからない。とっさに「盗られた」と思ったことを、責めることが出来るだろうか。そうでなくても職人への不信感を募らせていた源内である。
 「盗った」「盗らない」の問答の末、とうとう源内は刀を抜き、相手を斬り殺してしまう。書き付けが懐でなく、帯の間から出てきたのは、全てが終わってからだった。
 獄死。それが天才児・源内に与えられた運命である。玄白の言う「非常の人」は「非常に」倒れたのである。この件についてだけ言えば、源内を養護することは難しい。しかし、彼を知るほとんどの人達が抱いた思い。それは林子平のこの言葉で代用出来るかもしれない。
「国家の損失だ」
 源内の死はちょうど、森の中で寿命の尽きた大木が、自らを養分として幼木たちにささげるように、早すぎた人達から次世代にバトンを受け渡すための、最初の儀式であったかもしれない。そうでなければ、あまりに悲しすぎる。

【by きたかぜ】


第三期 幕府鳴動編


第9巻 彦九郎が行く


第10巻 天明大地獄


第11巻 北方大探検


第12巻 田沼の崩壊


みなもと太郎先生のサイン会が開かれる!!。

サイン会 渡辺 崋山  愛知県一宮市の書店「カルコスブック」で1997年11月24日(振替休日)に、みなもと太郎先生のサイン会が開かれました。
 「風雲児たち」ファンの私としては、この機を逃がす手はありません。イソイソと出掛けました。

 PM1:30から始まるサイン会でしたが、私が会場に着いたのは、2時間近く早いAM11:40頃でした。どれほど人が並んでいるだろう、と心配したのですが、何と整理券NO.は1番!。結局、2回のサイン会で来たお客さんは、11名。やはり「風雲児たち」はマイナーです。(;_;)
(その後、みなもと先生と電話で話す機会があり(2000年10月)、この時のサイン会の事をお聞きした所、「いやー、私にとってもこれほど少ない参加者のサイン会、と言うのは初めてだったなー。」と、おっしゃってました。東海地区の「風雲児たち」ファンの諸君!、もっと頑張ろうではないか!。(って、元々そんなに数いるのか?。^^;)

 しかしそのおかげで、みなもと先生や編集者K氏、「風雲児たち」ファンのS氏と名刺交換はできるは、一緒に写真は撮れるはで、大騒ぎができました。
 そして、色紙には大好きなキャラ「渡辺 崋山」を書いていただき、それはもう大満足!!。貴重な時間を過ごさせてもらいました。


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